日本国内においてバイカルアザラシを間近で観察できる水族館は限られていますが、それぞれの施設で非常に個性的な展示と飼育管理が行われています。
神奈川県足柄下郡の箱根園水族館は、バイカルアザラシの認知度を一躍全国区に押し上げた代表的な施設です。頭の上に手ぬぐいを乗せ、前脚に徳利を抱えて目を細める「温泉アザラシ」のパフォーマンスは、SNSやテレビ番組で爆発的な拡散を記録しました。箱根という温泉街のローカルカルチャーと、アザラシ特有の穏やかな仕草が見事に融合した事例として定着しています。
一方、三重県の鳥羽水族館は、国内屈指の飼育実績と学術的な知見を蓄積しています。広々とした飼育環境下でバイカルアザラシの繁殖にも成功しており、愛らしい親子展示や健康管理の徹底ぶりが専門家からも高く評価されています。来館者の観察記録や飼育員の日誌からは、好奇心旺盛で給餌の際に見せる俊敏な身のこなしなど、野生本来のダイナミックな一面が報告されています。
このほか、新潟市水族館マリンピア日本海や南知多ビーチランドなど、国内複数カ所で元気な姿を見ることができます。淡水飼育特有の水質管理や水温調整など、施設側の高度なバックヤード技術によって、日本にいながらシベリアの貴重な生態を体感できる環境が維持されています。