『リターンズ』の物語をドラマチックに牽引したのは、第1期以上に複雑化した人間相関図でした。ニューヨークへの留学を経て心を閉ざした道明寺司、財閥同士の政略結婚の相手として現れた大河原滋(加藤夏希)、そして記憶喪失になった司の心に入り込もうとした中島海(戸田恵梨香)。幾重にも張り巡らされた障害が、主人公たちの絆を極限まで試しました。
ファンの間で今なお熱く議論されるのが、最終回のネタバレ展開と感動のフィナーレです。スキー場での遭難事故をきっかけに記憶を失い、牧野つくしのことだけを思い出せなくなっていた道明寺司。彼を独占しようとする海の企みによって一度は絶望の淵に立たされたつくしでしたが、司の好物である「手作りクッキー」と、雪山で命がけで司を看病するつくしの姿がトリガーとなり、司の閉ざされていた記憶の扉が劇的に開かれます。
二人の旅路の終着点となったのが、日本武道館でのプロポーズです。英徳学園の卒業プロムの舞台となった満員の武道館。大観衆のスポットライトが降り注ぐ中、司はつくしを中央に呼び寄せ、不器用ながらも魂のこもった誓いの言葉をぶつけます。
「このオレ様と結婚しろ!」――誰もが息を呑んだ瞬間に響いた、つくしの「宣戦布告よ! あんたが一生後悔するくらい、幸せにしてあげる!」という力強い受諾の返答。格差や数多の試練を乗り越え、互いを対等なパートナーとして認め合った道明寺司と牧野つくしの結末は、平成恋愛ドラマ史における最高峰のカタルシスとして完結しました。
この物語の舞台となった数々のロケーションは、放送から20年近くが経過した現在も聖地として愛されています。象徴的な待ち合わせ場所である「恵比寿ガーデンプレイス 時計広場」には、「日曜、恵比寿ガーデンプレイス時計広場1時」のセリフを胸に刻んだファンが国内外から足を運び、記念撮影を行う姿が絶えません。