2000年代中盤、業界関係者の誰もが「終わった男」と見なしていた彼に、救いの手を差し伸べる映画人たちが現れました。まず口火を切ったのがロバート・ロドリゲス監督による『シン・シティ』(2005年)です。心優しき異形の巨漢シンシティ マーヴ役を特殊メイクを施して熱演し、観客と批評家を圧倒しました。
そして2008年、映画史に刻まれる奇跡が起きます。ダーレン・アロノフスキー監督がメガホンを取った映画 レスラー ミッキーローク主演作『レスラー』です。心臓に病を抱え、ステロイドと孤独に蝕まれながらもリングでしか生きられない落ち目のプロレスラー、ランディ・“ザ・ラム”・ロビンソン役は、まさにローク自身の人生そのものの投影でした。
身を削るような鬼気迫る演技は世界中で絶賛され、第66回ゴールデングローブ賞主演男優賞を受賞、第81回アカデミー賞主演男優賞にもノミネートされました。受賞スピーチで愛犬たちへの感謝を述べ、涙を浮かべた姿は映画ファンの胸を打ちました。
この復活劇を経て、2010年にはマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)の大作『アイアンマン2』にメインヴィランのアイアンマン2 ウィップラッシュ(イワン・ヴァンコ)役として抜擢。ロシアの刑務所で取材を重ね、金歯を自費で入れるなど徹底した役作りで挑み、世界的メガヒットの一翼を担いました。