膵臓外科の領域では、年間手術件数が多い医療機関ほど手術関連死亡率が有意に低いという「ボリューム・アウトカム(手術数と治療成績の相関関係)」が国内外の臨床研究で証明されています。特に年間50例以上の膵切除を行う施設はハイボリュームセンターと呼ばれ、全国から重症患者や切除難度の高い症例が集約されています。
日本消化器外科学会や各病院の公式診療実績データに基づき、全国トップクラスの膵臓疾患・膵臓がん治療実績を誇る主要病院の動向を整理すると、首都圏および東日本の特定中核病院に高度な症例が集中している実態が浮き彫りになります。
国内トップクラスの症例数を誇るがん研有明病院(東京都江東区)は、肝胆膵外科において年間150件を超える膵切除術を実施しており、難度の高い血管合併切除や腹腔鏡・ロボット支援下手術でも豊富な実績を誇ります。徹底した周術期管理と術前化学療法の導入により、患者の身体的負担を抑えながら根治性を追求する体制が確立されています。
国立の最高峰である国立がん研究センター中央病院(東京都中央区)および国立がん研究センター東病院(千葉県柏市)は、最先端の臨床試験やゲノム医療を牽引する中核です。新規抗がん剤の治験や先進的な放射線治療の選択肢が豊富で、他院で「切除不能」と診断されたボーダーライン(切除可能境界)症例に対する集学的治療で確固たる実績を上げています。
地方都市において圧倒的な症例数を誇るのが静岡県立静岡がんセンター(静岡県長泉町)です。消化器外科の中でも膵臓外科専任の熟練チームを擁し、年間100例前後の膵切除手術を安定して遂行。徹底したクリニカルパスの運用とリハビリテーション・栄養管理の連携により、術後合併症の発生率を極めて低水準に抑え込んでいることで全国的な高評価を得ています。