ライブハウスにおける最前列争奪戦において、最初の指標となるのが「最前柵(フロントバー)に何人密着できるか」というキャパシティです。渋谷クアトロのステージ間口とフロア形状を照合すると、最前柵の人数は標準的な状態で18人前後、ギュウギュウに詰めた超満員公演でも最大20人〜22人程度が限界となります。
柵の横幅は決して狭すぎるわけではありませんが、左右両端のスピーカー前はステージ袖の見切れが発生しやすいため、アーティストを正面から見据えられるセンターエリアの定員はわずか6人〜8人ほどに限られます。この極少のスペースを巡って激しいポジション争いが繰り広げられるわけです。
特筆すべきは、ステージと最前柵の距離の近さです。ステージの高さは約90cm〜1mと標準的な設計ですが、柵からステージエッジまでのクリアランスが非常にタイトに保たれています。最前列に陣取ることができれば、アーティストとの物理的な距離はわずか1メートル強。ステージ上で踏み込まれるエフェクターのスイッチや、ボーカリストの滴る汗まで鮮明に視認できる圧倒的な臨場感は、渋谷クアトロならではの特権といえます。