『ガラスの仮面』の休載期間が長期化するにつれ、検索エンジンのサジェストやSNS上で不穏なキーワードとして浮上したのが「美内すずえ 死亡説」という噂です。結論から申し上げると、美内すずえ氏は現在も健在であり、創作活動や文化発信を意欲的に継続しています。
1951年2月20日生まれの美内氏は、現在75歳を迎えています。半世紀以上にわたって漫画界の第一線に身を置き、70代となった現在も持ち前のバイタリティを失っていません。では、なぜこのような根拠のない死亡説が広まってしまったのでしょうか。その背景には、Web空間特有の情報拡散メカニズムと読者の不安心理が絡み合っています。
主な原因は以下の3点に集約されます。
- 第49巻刊行(2012年)からの極端な空白期間:10年以上にわたり新刊が途絶えたことで、「健康状態に深刻な問題があるのではないか」という憶測が独り歩きしたこと。
- 同世代の著名漫画家の訃報による連想:昭和・平成の少女漫画界を牽引した巨匠たちの訃報が相次いだ際、休載中の大御所作家として名前が誤読・混同されて検索ボリュームが急増したこと。
- 掲載誌の休刊に伴う露出減少:連載媒体であった白泉社の『別冊花とゆめ』が2018年に休刊し、定期的な近況報告を目にする機会が減ったこと。
実際には、美内氏はオペラ『紅天女』の原案・台本執筆および総監督としての公演プロデュースを手掛けるなど、多方面で精力的な活動を展開してきました。公の場に登壇した際にも、作品への情熱や物語へのこだわりを明晰な語り口で披露しており、健康不安説を一蹴しています。