細木氏ほどのカリスマになると、避けて通れないのが莫大な遺産相続の行方です。全盛期の書籍累計発行部数は1億部を突破し、ギネス世界記録にも認定。鑑定料やテレビ出演料、関連グッズの収益を含めると、生涯で築いた資産は数百億円に達すると噂されていました。
さらに、京都市右京区に構えた広大な邸宅をはじめとする不動産群、占術関連の著作権や商標権など、権利関係は極めて複雑多岐にわたるものでした。通常であれば、親族間での激しい骨肉の争い、いわゆる「争族」に発展してもおかしくない状況でした。
しかし、結果として細木氏の死後に深刻な相続トラブルが報じられることは一切ありませんでした。その理由は、細木氏が生前に講じていた周到すぎるほどの承継スキームにあります。
細木氏は自らの死期を予見していたかのように、70代半ばから実質的な終活を開始していました。姪であったかおり氏を正式な養女として迎え入れただけでなく、六星占術の商標管理会社や個人事務所の役員に据え、鑑定会にも同席させて後継者としての認知をファンの間で定着させました。不動産や金融資産に関しても生前贈与や法人化を完了させており、法的な隙を一切作らない形でバトンタッチを行っていたのです。
他人に厳しく運命を説いてきた人物だからこそ、自らの死後に泥沼の争いが起きることを誰よりも警戒し、完璧な防衛線を敷いていたといえます。