細木数子氏の訃報が列島を駆け巡ったのは、2021年11月10日のことでした。公式発表資料および事務所の発表によると、没年月日は2021年11月8日、享年83歳(満83歳没)。死因は「呼吸不全」と公表されました。
医学的に「呼吸不全」とは、肺をはじめとする呼吸器系が十分な酸素を血液中に取り込めず、全身の臓器に二酸化炭素が蓄積する状態を指します。高齢者の場合、慢性閉塞性肺疾患(COPD)や心機能の低下、あるいは誤嚥性肺炎などが引き金となって最終的な直接死因が呼吸不全と診断されるケースが一般的です。細木氏の場合も、突発的な事故や致死的な外傷ではなく、長年にわたる身体の消耗と加齢に伴う生命機能の低下が静かに終末期を迎えた結果でした。
第一報を伝えた長女で占術家の細木かおり氏は、自身の公式SNSにおいて母の最期の様子を克明に明かしています。報道各社の取材や手記によると、細木氏は息を引き取る数日前にも「鰻が食べたい」と口にするなど、最期まで生命の気骨を失っていませんでした。病院の集中治療室で機械に繋がれる延命治療ではなく、慣れ親しんだ自宅で家族に囲まれ、手を握られながら静かに息を引き取ったと伝えられています。
かつて番組内で見せた怒号や強烈な威圧感とは対照的に、その旅立ちは驚くほど穏やかでした。葬儀・告別式は本人の遺志を汲み、近親者のみの密葬(家族葬)として執り行われ、喧騒を極めた昭和・平成の芸能生活に自ら幕を下ろす形となったのです。