SNSや劇場ロビーで交わされる観客の感想には、一般的なエンタメ公演とは異なる特有の言葉が並ぶ。多くの観客が口にするのは、「エネルギーに当てられて、観劇後に席から立ち上がれなくなった」という生理的なショックだ。
演劇ファンの男性は次のように語る。「アイドルが出演するストレートプレイには半信半疑だったが、『少女都市からの呼び声』を観て価値観が覆った。アングラ特有の難解な詩的台詞を、あそこまで内臓から絞り出すように発声できる役者は今の演劇界にもそういない。彼が舞台に現れた瞬間、劇場内の湿度が2度上がるような感覚があった」。
一方、古くからのファンからは「彼が役柄の苦悩を引き受けすぎて、精神的に削れきってしまわないか心配になるほど鬼気迫る」という声も聞かれる。虚飾を排し、役の魂を自分の身体に降臨させるそのアプローチは、観る者にも相応の精神的集中を要求する。劇場全体がひとつの生き物のように息を潜め、彼の吐息ひとつに耳を澄ませる光景は、現場でしか体感できない奇跡的な時間といえる。