ドラマの評価軸を巡って、インターネット上では時に「リアルタイム世帯視聴率」のみを切り取った極端な議論が散見されます。しかし、映像ビジネスの構造が大きく転換した現在において、志尊淳が出演するドラマの真価は単一の世帯視聴率では測れません。
例えば『フェルマーの料理』は、世帯視聴率こそ5〜6%台で推移したものの、TVerやTBS FREEを合算した見逃し配信の再生回数では各話200万回を超え、累計1,500万回再生を突破するメガヒットを記録しました。さらにNetflixなどのグローバル配信プラットフォームを通じてアジア圏をはじめとする海外市場でも上位にランクインしています。
この現象の背景には、志尊淳の芝居が持つ「タイムシフト視聴(能動的視聴)への適性の高さ」があります。受動的にテレビを流し見する層ではなく、スマートフォンやタブレットで映像表現や台詞のニュアンスを一言一句吟味したいコアなドラマファンが、配信を通じて彼の作品を熱心に支持しているのです。世帯視聴率という過去の指標にとらわれて「ヒット作に恵まれていない」と判断するのは、現代のコンテンツ消費の実態を見落とした典型的な誤認といえます。