ネット上では長年、「寿美花代はなぜ老人ホームに入居したのか」「家族と不仲になったのではないか」という穿った見方が一部で囁かれていました。しかし、取材データや関係者の証言を丹念に紐解くと、そこには極めて合理的で気高い「自立した終活の意志」が存在していました。
転機となったのは、2019年6月の夫・高島忠夫さんの他界(享年88)です。忠夫さんは1998年に重度のうつ病を発症し、その後パーキンソン病や糖尿病、不整脈による心臓ペースメーカー埋め込み手術など、数々の重篤な疾患を抱えました。寿美さんは実に20年以上にわたり、主介護者として夫に寄り添い、壮絶を極める在宅介護を完遂したのです。
忠夫さんを見送った後、東京・成城にあった広大な自宅豪邸の維持管理は、80代後半に達していた寿美さんにとって極めて重い負担となりました。そこで彼女は、長男・政宏さんや次男・政伸さんに過度な介護負担を背負わせることを頑なに拒み、「自らの意思で自宅を売却し、24時間プロの医療・介護サポートが受けられる施設に入る」という英断を下しました。
自宅売却によって得られた資金を充てることで、都内屈指の手厚い設備とホスピタリティを備えたシニア向け介護施設への入居が実現。これは「子に頼り切らず、自らの尊厳を守る」という、元トップスターならではの気概に満ちた選択でした。