大仏建立と彷徨う遷都の真相|聖武天皇が直面した危機と天平文化

大仏建立と彷徨う遷都の真相|聖武天皇が直面した危機と天平文化

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聖武天皇が心血を注いだ仏教振興は、文化面においても類を見ない国際的な広がりを見せました。その象徴が、正しい戒律を日本に伝えるために命がけで海を渡った唐の僧侶、鑑真の来日です。

当時の日本仏教は、税逃れのために私的に出家する「私度僧」が横行するなど規律の乱れが課題となっていました。正式な僧侶となるための資格を授ける「受戒」制度を確立するため、聖武天皇の招きに応じた鑑真は、5度の渡航失敗と失明という過酷な試練を乗り越え、753年(天平勝宝5年)に6度目の航海でついに来日を果たしました。鑑真は東大寺に戒壇を築き、聖武上皇や光明皇太后らに受戒を行いました。

聖武天皇の没後、光明皇太后は天皇の遺愛品や東大寺大仏開眼供養に関わる品々を東大寺に奉納しました。これらを今に伝えるのが正倉院宝物です。ペルシャ風の白瑠璃碗や螺鈿紫檀五絃琵琶など、シルクロードを経由して渡来した品々は、奈良の都がユーラシア大陸の東の終着点として国際色豊かな文化を開花させていた動かぬ証拠です。

山下 哲也
著者

山下 哲也

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。