SNSや相談掲示板では、「昼間は仕事で不在なのに1万円を超えた」「前年と同じ生活をしているのに3,000円以上跳ね上がった」という困惑の声が絶えません。一人暮らしの単身者が電気代1万円超えに直面する背景には、単なる使いすぎだけでは片付けられない、電力市場の構造的な問題が潜んでいます。
第一の要因は、請求明細書に記載される「燃料費調整額」と「再生可能エネルギー発電促進賦課金(再エネ賦課金)」の加算です。電気代の総額は、単に「使った電力(kWh)×単価」ではなく、原油や液化天然ガス(LNG)の輸入価格を反映する燃料費調整額が上乗せされます。特に規制料金の上限撤廃を行ったプランや市場連動型プランを契約している場合、国際情勢の煽りをダイレクトに受けて単価自体が跳ね上がっているケースが多発しています。
第二の要因は、古い賃貸物件に据え付けられた旧式エアコンや小型冷蔵庫のエネルギー消費効率です。10年以上前に製造されたエアコンは、最新モデルと比較してコンプレッサーの制御性能が著しく劣り、同じ設定温度でも1.3倍〜1.5倍の電力を消費します。自炊をせず部屋を留守にしがちな人であっても、断熱性の低い部屋で旧式設備を稼働させていれば、短時間の運転でも使用量が急増してしまうのです。