旅客ターミナルの運営を担う日本空港ビルデング株式会社は、慢性的な混雑緩和に向けて最先端技術を相次いで投入してきた。その象徴が、保安検査場(スマートセキュリティ)の導入拡大だ。高性能なCT型X線検査装置によって、従来は取り出しが必須だったノートパソコンや規定内の液体物をバッグに入れたまま通過できるレーンが増加している。
手荷物預けのプロセスも劇的に様変わりした。フロアにずらりと並ぶ自動手荷物預け機(Self Baggage Drop)に搭乗券をかざせば、タグの発行からスーツケースの預け入れまで数分で完了する。デジタルに慣れた個人旅行者にとっては、従来の有人カウンターと比べて大幅な時間短縮が可能になった。
しかし、落とし穴も存在する。機器の操作に戸惑う乗客が数人続くだけで、自動レーンには突如として長い待機列が発生する。スマート技術は個人の通過時間を縮める一方で、突発的なボトルネックを生む性質も併せ持っている。テクノロジーの恩恵を過信しすぎない姿勢が肝要だ。