コンクリート構造物である擁壁にも寿命があります。税法上の法定耐用年数は30年〜50年程度とされていますが、適切なメンテナンスが行われていれば擁壁耐用年数は50年〜60年以上持続します。しかし、維持管理を怠れば30年未満で危険な状態に陥ることもあります。
擁壁の健康状態を測る上で最も重要なチェックポイントが「排水機能」です。擁壁の背面に溜まった雨水は巨大な水圧となって擁壁を押し出そうとするため、建築基準法では擁壁水抜き穴設置基準として「壁面積3㎡以内ごとに内径7.5cm以上の水抜き穴」を設置することが義務付けられています。
現地を観察した際、以下の兆候が見られる擁壁は危険信号です。
- 水抜き穴から土砂が流出している、または穴が泥や植物で完全に詰まっている
- 擁壁の表面が外側に膨らんでいる(はらみ出し現象)
- 斜め方向や横方向に大きなひび割れが走っている
- 目地部分から常に水がしみ出し、白華現象(エフロレッセンス)が激しい
これらは擁壁の内部に水圧や過度な土圧がかかっている証拠であり、専門家による耐震診断や早急な補修検討が必要です。