鳥貴族の代名詞といえば、創業以来頑なに守り続けてきた全品均一価格システムです。しかし、2017年の280円(税抜)から298円への値上げを皮切りに、近年の世界的な飼料価格高騰、物流費および人件費の上昇、円安の長期化を受け、段階的な価格改定を余儀なくされてきました。
運営会社である株式会社エターナルホスピタリティグループ(旧・株式会社鳥貴族ホールディングス)の決算資料や公式発表によると、この値上げは単なる利益確保ではなく、「国産鶏肉100%の使用」と「各店舗での手串打ち」というブランドの根幹を維持するための防衛的措置であることが明かされています。安易に冷凍輸入肉への切り替えやセントラルキッチン化に踏み切れば、価格は据え置けても鳥貴族最大の強みである鮮度とジューシーさが失われるためです。
大衆居酒屋チェーンの多くがお通し代(席料)として400円〜500円程度を徴収する中、鳥貴族は「お通し代・深夜料金ゼロ」を維持しています。トータルでの客単価は現在も約2,300円〜2,800円前後に収まる設計となっており、値上げを経た現在でも消費者の心理的支出ラインを強力に防衛しています。