検索エンジンで「ココイチ 社長 やばい」と検索した読者が目にする情報は、時代も人物も異なる2つの事象が入り混じっています。まずは、この情報のねじれを整理しておく必要があります。
第一の「やばい」は、株式会社壱番屋の創業者である宗次徳二(むねつぐ とくじ)氏に対する、畏敬の念を込めた評価です。孤児院育ちの極貧生活から這い上がり、一代で世界最大のカレーチェーンを築き上げた軌跡、そして毎朝3時55分に起きる狂気じみた日課など、人間離れしたエピソード群が「常識外れすぎてやばい」と語り継がれています。
第二の「やばい」は、ココイチを25店舗展開する有力FC企業「株式会社スカイスクレイパー」において、当時22歳の女性アルバイトだった諸沢莉乃氏が代表取締役社長へ大抜擢された人事案件です。メディアで報じられるやいなや、「バイト上がりの22歳が年商20億円企業のトップに立つなんてやばい」「キャリア組社員の不満は爆発しないのか」といった疑問や批判、驚愕の声がネット上に溢れかえりました。
つまり、「超人的な創業者の逸話」と「前代未聞のFC新社長誕生劇」という、まったくベクトルの異なる2つの驚きが同一キーワードに集約されているのが、この噂の根本的な構図です。現在、株式会社壱番屋の本社社長を務めるのはプロパー出身の葛原守(くずはら まもる)氏であり、組織は盤石なガバナンスを敷いていますが、外部の関心は依然としてこの2つの強烈なトピックに引き寄せられています。