公式には「三女の高校卒業に伴う子育ての終了」と説明されたものの、芸能関係者の間では長年にわたる価値観のズレとパワーバランスの変化が指摘されていました。鈴木保奈美と石橋貴明の離婚理由の核心には、主に3つの構造的要因が存在します。
第1の要因は、鈴木保奈美の女優復帰の経緯に伴う生活規範の衝突です。2011年のNHK大河ドラマ『江〜姫たちの戦国〜』で本格的に復帰を果たした際、石橋は「撮影は夜遅くまで及ばないこと」「夕方には帰宅して家族の夕食を用意すること」など、厳格な家庭内ルールを課したと報じられています。しかし、2018年のフジテレビ系ドラマ『SUITS/スーツ』で織田裕二と27年ぶりの共演を果たすなど、女優としての評価と情熱が再燃するにつれ、家庭に縛り付けようとする夫の旧態依然とした束縛に対する息苦しさが限界に達していったと伝えられています。
第2の要因は、夫婦間の経済的・職業的パワーバランスの逆転です。かつて民放各局で冠レギュラー番組を抱え年収数十億円とも言われた石橋ですが、2018年の『みなさんのおかげでした』終了以降、地上波でのレギュラーが激減。YouTubeへと活動拠点を移していきました。一方の鈴木は女優・エッセイストとして多忙を極め、ドラマ、舞台、ファッション誌などオファーが引きも切らない状態となりました。この立場の変化が、家庭内のヒエラルキーに微妙な影を落としたことは想像に難くありません。
そして決定打となったのが、鈴木保奈美が水面下で進めていた自立への布石です。離婚発表の前年である2020年秋、鈴木は都内の超一等地に約3億円とも言われる高級マンションを個人名義の現金一括で購入。さらに2021年早々には実姉を代表に据えた個人事務所を設立しました。この鈴木保奈美の事務所独立に向けた周到な動きこそが、夫からの心理的・経済的支配を脱し、一人の表現者として生きていくための揺るぎない覚悟の表れだったと言えます。