使用期限切れの薬を飲むとどうなる?放置薬のリスクと正しい処分法

使用期限切れの薬を飲むとどうなる?放置薬のリスクと正しい処分法

使用期限切れの薬を飲むとどうなる?放置薬のリスクと正しい処分法の具体的な内容に迫る! 専門的な視点で紐解きます。

「高価な処方薬だったから捨てるのが惜しい」「以前効いたのだから、また同じ病気になった時に役立つはずだ」――ネットの掲示板やSNS、知恵袋の投稿を分析すると、日本人の深層心理にある「もったいない精神」が、危険な薬の自家保管を後押ししている実態が浮かび上がります。

厚生労働省や関係諸団体の推計によると、日本全国で処方されながら使われずに家庭内に眠っている、いわゆる「残薬」の総額は年間数百億円規模に達するとされています。現場の薬剤師の証言によれば、高齢者宅の薬箱や引き出しからは、10年以上前の高血圧治療薬や、昭和〜平成初期のパッケージがそのまま残された解熱剤が日常的に見つかるといいます。

ここで見落とされがちなのが、「家族間での薬の使い回し」という深刻なモラルハザードです。「お父さんの湿布だから」「お母さんが病院でもらった痛み止めだから」と、症状が似ているからといって子どもや配偶者に飲ませるケースが後を絶ちません。しかし、成人の体重や肝機能をもとに設計された処方薬を未成年に投与すれば、急性薬物中毒や重篤な肝障害を引き起こす危険があります。医薬品は個人の身体状態に合わせた「オーダーメイドの治療手段」であり、共用の家庭用品ではないという境界線を明確に引く必要があります。

高橋 健太
著者

高橋 健太

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。