夢と現実の区別がつかない原因とは?病気のサインと科学的対処法

夢と現実の区別がつかない原因とは?病気のサインと科学的対処法

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インターネット上や一部のカルチャーコミュニティでは、「夢を自由自在にコントロールする手法」として明晰夢の訓練法や、見た夢を克明にノートに書き留める夢日記が頻繁に紹介されています。「クリエイティビティが高まる」「潜在意識にアクセスできる」といった宣伝文句に惹かれ、日課にしている人も少なくありません。

しかし、精神神経医学の知見から言えば、自己流の夢日記や明晰夢の過度な実践は、脳の現実検討能力(リアリティ・テスティング)を意図的に破壊する極めて危険な行為になり得ます。

通常、人間の脳は目覚めた直後から夢の記憶を急速に忘却するようプログラムされています。不要な仮想体験を消去し、現実のタスクにリソースを集中させるための防御メカニズムです。ところが、夢日記によって夢の内容を細部まで言語化し、反復して思い出す作業を継続すると、脳は夢の記憶を「重要なエピソード記憶」として強固に保存してしまいます。

その結果、脳のメモリ内で現実の出来事と夢のアーカイブが同じ階層に並んでしまい、ふとした瞬間に「これは昨日実際に体験したことか、それともノートに書いた夢だったか」の区別が完全につかなくなります。重篤なケースでは、現実世界でも「これは夢だから何をしても構わないのではないか」という認知の歪みが生じ、解離状態を誘発するリスクが指摘されています。すでに現実との境界線に違和感を覚えている人は、夢日記の記録を直ちに中断しなければなりません。

橋本 菜々子
著者

橋本 菜々子

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。