早期治癒を目指す患者にとって最大の関心事の一つが「健康保険が適用されるかどうか」という線引きです。日本における公的医療保険制度のもとでは、すべての骨折に対して無条件で保険適用されるわけではありません。厚生労働省の診療報酬点数表において、超音波骨折治療法が保険算定できるケースは厳格に規定されています。
具体的に保険適用となるのは、主に以下の2つの条件に合致する場合です。
- 新鮮骨折の観血的手術後:骨折部位を切開し、金属プレート、ボルト、髄内釘(ネイル)などを用いて骨を整復・固定する「骨折観血的手術」を実施した直後の治療。
- 難治性骨折(遷延治癒・偽関節):骨折治療を開始してから3ヶ月以上経過しても骨癒合の兆候が見られず、骨の癒合が停止してしまった状態(偽関節)に対する治療。
注意すべきは、手術を行わずに徒手整復してギプスや副木(シーネ)だけで固定する「保存療法」を選択した新鮮骨折の場合、原則として保険適用の対象外となる点です。保存療法を選択した患者がLIPUSによる治療を希望する場合は、自由診療として全額自己負担で治療を受けるか、指定の医療機関を通じて専用機器を自費レンタルする形になります。ただし、2026年時点では地域や医療機関の運用方針により、保存療法であっても難治リスクが高い部位(舟状骨骨折や下腿骨骨折など)に対して柔軟な対応を取る臨床現場も増えつつあります。