反復試行の確率公式を完全攻略!なぜCをかけるのか本質と解法をプロが徹底解明の特集記事をご紹介します。専門的な知識が詰まっています。
確率分野で多くの学習者を苦しめるもう一つの要因が、問題文を見たときに「どの道具(公式)を取り出せばよいか判断できない」という分類の壁です。特に反復試行と独立試行の見分け方や、反復試行と条件付き確率の違いを曖昧にしたまま演習を進めると、難関私立大や国公立2次試験の長文問題で致命的な読み違えを引き起こします。
それぞれの確率モデルが持つ本質的な特徴と計算アプローチの違いを、以下の比較データ表に整理しました。
項目詳細・計算式一般的な基準・相場編集部の見解・評価反復試行$_{n}\mathrm{C}_{r} \, p^r (1-p)^{n-r}$
同一条件の独立な試行を複数回繰り返す「○回投げて△回起こる」「同じ操作を繰り返す」という出題形式試行の「順序パターン($_{n}\mathrm{C}_{r}$)」を掛ける必要がある点が最大の特徴。一般の独立試行$P(A \cap B) = P(A) \times P(B)$
互いの結果に影響を与えない別々の試行「サイコロを振り、同時にコインを投げる」など試行内容が異なる場合も含む反復試行は「全く同じ独立試行をn回行った特殊ケース」に位置づけられる。条件付き確率$P_A(B) = \frac{P(A \cap B)}{P(A)}$
事象Aが起こった前提で事象Bが起こる確率「〜であるとき、…である確率を求めよ」という分母の絞り込み表現全事象が縮小する概念であり、反復試行の結果を分母に据える融合問題が頻出。従属試行(非復元抽出など)取り出した玉を戻さない確率計算など
前の結果が次の確率を変化させる「元に戻さずに続けて取り出す」などの指定がある場合反復試行の公式は使えない。樹形図や条件付きの積の法則で解く必要がある。
注目すべきは、反復試行が「独立試行」という大きな枠組みの中に含まれているという階層関係です。独立試行であるための前提条件は「各回の結果が、前後の結果に一切影響を及ぼさないこと(確率が変わらないこと)」です。サイコロを何回振っても、コインを何回投げても、取り出した玉を毎回袋に戻す(復元抽出)限り、各回の確率は一定であり、反復試行のルールが適用できます。
一方で、玉を袋に戻さない「非復元抽出」の場合は、引くたびに袋の中身が減って確率が変わるため、反復試行の公式は絶対に使えません。問題文に「元に戻す」とあるか「戻さない」とあるか、この1行の制約を見落とさないことが実戦での分水嶺となります。