アニメ映画史に燦然と輝く名作『嵐を呼ぶ モーレツ! オトナ帝国の逆襲』(2001年)と『嵐を呼ぶ アッパレ! 戦国大合戦』(2002年)。両作において、音楽が果たした役割は計り知れません。
オトナ帝国の主題歌と挿入歌において象徴的なのは、昭和歌謡やフォークソングの絶妙な配置です。ベッツィ&クリスの『白い色は恋人の色』や吉田拓郎の『今日までそして明日から』が流れる中、ひろしが自身の少年時代から現在までを振り返る「ひろしの回想」シーンは、アニメーションと音楽が融合した最高峰の芸術的演出として世界的な評価を得ています。
一方、戦国大合戦の劇中曲サントラを手掛けた荒川敏行・浜口史郎による壮大なオーケストレーションと和楽器の融合は、戦国時代の儚さと武士の誇り、そして切ない身分違いの恋情を見事に描き切りました。こうしたクレヨンしんちゃん映画の挿入歌や劇中名曲は、単なるBGMの枠を超え、観る者の感情を極限まで引き出すキーパーツとなっています。