硬くなった足裏をケアする前に、その病態が単なる角質肥厚なのか、専門治療を要する皮膚疾患なのかを正確に見極める必要があります。特に混同されやすいのが「タコ」と「魚の目」の差異です。
足の裏の魚の目とタコの違いは、角質が深部に向かって「芯(角質柱)」を形成しているかどうかにあります。タコ(胼胝:べんち)は皮膚の外側に向かって広く平たく盛り上がるため、触れても鈍い感覚がある程度です。一方で魚の目(鶏眼:けいがん)は、角質が楔状(くさびじょう)に真皮層へ向かって食い込んでおり、歩行時や垂直に押した際に神経を圧迫して鋭い激痛を走らせます。芯を取り除かない限り再発を繰り返すため、セルフケアで表面を削るだけでは完治しません。
さらに見逃してはならないのが、足の裏角質肥厚と水虫の見分け方です。一般に水虫(白癬菌感染)といえば痒みや水ぶくれを想起しがちですが、かかとを中心に粉をふいたようにガサガサになる角化型白癬は、強い痒みを伴わない特徴があります。単なる頑固な乾燥肌だと思い込んでヤスリで削り、菌を周囲に飛散させて爪水虫へ併発させてしまう患者が後を絶ちません。白癬菌の有無は皮膚科での顕微鏡検査(直接鏡検法)でしか確定診断が下せないため、長年保湿しても一向に改善しない場合は、削る行為を直ちに中止して医療機関を受診すべきです。
また、亀裂が真皮に達して出血を伴うかかとのひび割れ痛い時の対処法としては、ヤスリがけは厳禁です。傷口から黄色ブドウ球菌などの細菌感染を招き、蜂窩織炎(ほうかしきえん)を引き起こす恐れがあります。まずは医療用ワセリンを厚めに塗布してラップや専用パッドで保護し、傷口の上皮化を最優先にするのが鉄則です。