住宅で使用される水源には、公営水道のほかに「私設水道(私設管・専用水道)」や「井戸水」が存在します。これらは供給主体、維持管理責任、そしてコスト面において全く異なる性質を持ちます。 私設水道とは、開発分譲地や山間部の別荘地などで見られる形態で、個人、管理組合、あるいは民間企業が敷設した水道管や給水設備を用いて水を供給する仕組みです。自治体の本管から離れたエリアで多く採用されますが、管路の破断修繕や水質管理のコストはすべて所有者・利用者の自己負担となります。 一方、井戸水は敷地内の地下水を電動ポンプ等で汲み上げて利用する形態です。水道基本料金がかからないメリットがある反面、周囲の農地からの農薬浸透、近隣の工場跡地による地下水汚染、あるいは渇水時の水枯れリスクを常に抱えることになります。
不動産購入時に現地で公営水道と私設水道を見分けるには、以下の3つのステップが確実です。
- 量水器(水道メーター)の蓋を確認:メーターボックスの蓋に各自治体の市章や「水道局」の刻印があるか確認します。無地や民間デベロッパー名の刻印である場合、私設設備の可能性があります。
- 前面道路の埋設図面を取得:役所の水道窓口で「給水台帳」および「道路埋設管図」を閲覧します。道路に埋まっている管が「公設管(自治体資産)」か「私設管(個人共有等)」か一目で判別できます。
- 重要事項説明書の「飲用水」欄を精査:宅地建物取引業法に基づき、配水管の口径、前面道路への埋設状況、私設管の場合は維持管理の負担取り決めが必ず明記されています。