日本の難関資格試験において、択一式がどれほど絶対的な重みを持っているのか、主要3試験の客観的データをもとに検証します。
行政書士試験では、全体の配点300点満点のうち、基礎法学から民法、行政法、一般知識に至る行政書士の択一式の配点は54問・216点を占めます(多肢選択式を含めると240点)。記述式の配点は60点ですが、記述式の採点が行われる前に択一式で圧倒的な基礎点を積み上げておくことが、合格率10〜12%の壁を突破するための絶対条件です。択一式だけで合格基準点である180点(60%)近傍を確保する戦略が、近年の受験指導における王道となっています。
社会保険労務士試験における社労士の択一式対策は、さらに過酷を極めます。試験時間は210分(3時間30分)、問題数は7科目×各10問の計70問。問題用紙のページ数は60ページ以上に達し、読むべきテキストの総量は膨大です。総得点70点中、合格ラインはおよそ44点〜48点(約65%)で推移しますが、全7科目すべてにおいて原則として4点以上を死守しなければならないという足切り基準が存在します。たった1科目の凡ミスが、1年間の努力を一瞬で無に帰す冷酷な構造です。
そして、国内最難関の筆記試験と称される司法書士の択一式の難易度は別格です。午前の部(35問・105点満点)および午後の部(35問・105点満点)に分かれており、それぞれに極めて高水準な「基準点」が設定されます。近年のデータでは、午前の部・午後の部ともに35問中26問〜28問前後(正答率約80%)的正答できなければ、記述式の答案用紙すら採点されずに不合格となります。1問の重みが極めて重く、曖昧な知識が一切許されない極限の精度が求められます。