マンションは何年住める?47年寿命説の嘘と100年耐えうる真実

マンションは何年住める?47年寿命説の嘘と100年耐えうる真実

マンションは何年住める?47年寿命説の嘘と100年耐えうる真実について専門的な視点から解説いたします。最新の情報をご確認ください。

物理的には100年持つとしても、日々の暮らしやすさは別問題です。都内の築50年超のヴィンテージマンションや大規模団地で暮らす住民の証言を取材すると、カタログスペックからは見えない生活の実態が浮かび上がります。

「立地は駅徒歩5分で緑も多く最高ですが、冬場の底冷えと結露には毎年悩まされます」――こう語るのは、都内の築51年マンションを中古で購入した60代の男性です。昭和40年代から50年代前半に竣工した物件は、壁の断熱材が極めて薄いか、最悪の場合は一切入っていないケースすら珍しくありません。内窓の設置(二重サッシ化)などの専有部リノベーションを行わなければ、現代の新築マンションのような断熱気密性能を望むのは不可能です。

さらに深刻な現場の課題が、配管構造の老朽化です。かつてのマンションでは、給排水管をコンクリートの床スラブ(躯体)の中に埋め込む工法が採用されている例が多く見られます。このタイプは配管を交換しようにも床のコンクリートを破壊する必要があり、修繕費用が跳ね上がります。下の階の天井へ水漏れ事故を起こし、住民間トラブルに発展して初めて構造的欠陥に直面するケースが後を絶ちません。

エレベーターの停止階問題もシニア世代の足を直撃しています。昭和期の大規模団地や高層マンションには、工費削減のためにスキップフロア(エレベーターが1階・4階・7階など一部の階にしか停止しない設計)が採用された物件が数多く存在します。購入当初は元気だった住民も、70代・80代を迎えると「階段の上り下りが苦痛で外出すら億劫になる」という過酷なバリアフリーの壁に直面し、マンションを終の棲家として選んで後悔したという痛切な声が知恵袋やコミュニティ掲示板にも数多く寄せられています。

中川 明日香
著者

中川 明日香

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。