ネット上の掲示板や知恵袋などで「産業カウンセラー 意味ない」と切り捨てられる最大の要因は、資格の参入障壁の低さと就職市場での評価が著しく乖離している点にあります。
一般社団法人日本産業カウンセラー協会が主催する養成講座を修了することが主な受験資格となりますが、講座の受講費用は通信・通学を合わせて約35万〜40万円台に達します。さらに数百時間に及ぶ座学や実技演習をこなす必要があり、社会人にとっては時間的にも金銭的にも決して軽い負担ではありません。独学での受験ルートは心理学専攻大学院の修了など厳格な条件が課されており、一般のビジネスパーソンが独学のみで取得することは実質的に不可能です。
それだけの投資を強いられる一方で、試験の合格率は例年約60%〜70%前後で推移しています。国家資格である公認心理師や、指定大学院修了を義務付ける臨床心理士の試験に比べると難易度は極めて穏やかです。結果として、市場には「高額な受講料を払って養成講座を真面目に受講すれば誰でも取れる民間資格」という冷ややかな見方が定着してしまい、履歴書に記載しても企業の採用担当者から即戦力の心理職として評価されにくい構造が生じています。