公の場ではあまり語られないものの、動物病院の診察室や国民生活センター等に持ち込まれる相談から見えてくるのが、生々しい犬の美容室トラブル真相です。
最も多い身体的事故は、ハサミやバリカンによる皮膚の切創(特に耳の縁や内股の薄い皮膚)、爪切りの深爪、そしてドライヤーの熱風による角膜炎や熱中症です。取材したベテラン獣医師によると、「トリミング直後から足を痛がるためレントゲンを撮ると、無理な保定によって股関節や膝蓋骨が脱臼していたケースも珍しくない」と証言しています。
一方、外見上のトラブルであるトリミング失敗の理由と対策については、飼い主とサロン側のコミュニケーション不全に起因するものが大半を占めます。
- 失敗の典型例1(毛質の誤認):ポメラニアンなどのダブルコート種を短くバリカンで刈り上げた結果、被毛が生え揃わなくなる「バリカン後脱毛症(アロペシアX)」。これに関する事前説明を行わないサロンはリスク管理が欠如しています。
- 失敗の典型例2(オーダーの抽象化):「すっきり短く」「テディベア風で」といった曖昧な言葉遣いは、飼い主とトリマーの脳内イメージに決定的なズレを生みます。
- 失敗への具体的対策:希望するスタイルの写真を必ず前後左右から複数枚提示すること、そして「絶対に切ってほしくない部位」「愛犬が触られるのを嫌がる場所」を施術前のカルテに明記させることが有効な自衛策となります。