人の顔が覚えられない病気?相貌失認テストと症状・診断の目安を解説

人の顔が覚えられない病気?相貌失認テストと症状・診断の目安を解説

人の顔が覚えられない病気?相貌失認テストと症状・診断の目安を解説とはどんな影響があるのか? 詳しい意味を簡潔に解説します。

多くの人が経験する「名前と顔が一致しない」という物忘れと、医学的な「相貌失認の症状と特徴」との間には、明確な境界線が引かれています。一般的な記憶の苦手さであれば、相手の顔そのものは「以前見たことがある」と知覚でき、過去の文脈を手がかりに徐々に記憶が呼び覚まされます。しかし相貌失認の場合、知覚した視覚情報を「誰の顔であるか」という記憶データベースと照合する脳内リンクが遮断されているため、どれほど親しい相手であっても顔単体からの識別が成立しません。

臨床現場における相貌失認の見分け方として、当事者が無意識に行っている「顔以外の識別行動」が挙げられます。相手を特定する際、目や鼻の配置ではなく、声のトーン、特有の歩き方、髪型、服装、輪郭のほくろ、身につけている装飾品などを手掛かりにしていれば、相貌失認特有の代償行動が起きているサインです。テレビドラマや映画を観ていても「登場人物の区別がつかずストーリーが追えない」「職場の制服を着替えられると直前まで話していた上司がわからない」といったエピソードは、単なる不注意の枠を超えた典型例といえます。

「人の顔が覚えられない病気」という言葉の響きから、視覚そのものの異常や全般的な認知症を不安視する声も聞かれます。しかし相貌失認は、視力視野に一切の欠損がなく、文字や一般的な物体(車、建造物、動物など)の識別能力、知能指数(IQ)は完全に保たれている点が大きな特徴です。「顔という極めて特殊な視覚刺激」に対してのみ、脳の認識モジュールが選択的に機能しなくなっているのです。

中島 亮太
著者

中島 亮太

シンプルで洗練された住まいづくりとインテリアコーディネートのアイデアを提案しています。