風邪の療養食に関しては、インターネット上で長年まことしやかに語り継がれているいくつかの重大な誤解が存在します。
その筆頭が「栄養ドリンクを飲めば風邪が早く治る」という盲信です。コンビニの医薬品・指定医薬部外品コーナーに並ぶ一般的な栄養ドリンクの多くには、眠気を吹き飛ばすための無水カフェインが50mg程度(コーヒー1杯分相当)含まれています。カフェインは一時的な覚醒感と鎮痛補助をもたらすため「元気になった」と錯覚させますが、実際には利尿作用によって脱水を促進し、何よりも風邪治療の本質である「深い睡眠」を妨害してしまいます。栄養ドリンクを手に取る際は、パッケージの隅にある「ノンカフェイン」「おやすみ前にも飲める」という表記を必ず確認してください。
もう一つの盲点は、スポーツドリンクの過剰摂取による糖分過多です。市販の一般的なアイソトニック飲料は、運動時のエネルギー消費を想定して糖分が高めに設定されています。下痢や発熱で激しい脱水状態にあるとき、高糖質な飲料を大量に流し込むと浸透圧性の下痢を誘発することがあります。脱水時の第一選択はあくまで「経口補水液」であり、スポーツドリンクしか手に入らない場合は、白湯やミネラルウォーターで少し薄めて飲むのが身体に優しいテクニックです。