顔の大きさを客観的に論じる上で、最も信頼性の高い一次資料となるのが、国立研究開発法人産業技術総合研究所(産総研)が公開している頭部寸法データベースです。デジタルヒューマン工学研究センターの大規模計測調査によると、日本人の骨格寸法には明確な統計的中央値が記録されています。
人体計測における顔の縦幅は、頭頂部から顎の最下端部までを垂直に測る「全頭高(ぜんとうこう)」と、眉間付近から顎先までの「形態顔高(けいたいがんこう)」に分類されます。世間一般で「顔の縦の長さ」として語られる数値の多くは全頭高を指しており、顔のサイズ平均女性では約21.8cm、顔のサイズ平均男性では約23.19cm(青年期18〜34歳データ)が基準値となります。
一方、横幅の指標となる「頭幅(とうふく)」は、左右の頭頂骨の最も外側に張り出した部分を結ぶ直線距離を指します。これに対して、美容領域で用いられる「顔幅(頬骨弓間幅・耳珠間幅)」は頭幅よりもやや狭い数値を示します。産総研の統計に基づく成人の標準的な骨格数値を整理したのが以下のデータです。
このように、全頭高と頭幅の平均値を冷静に見つめ直すと、一般的な日本人女性の顔の長さは21cm台後半、男性は23cm強に収まります。日頃「自分の顔は25cm以上あるのでは」と思い悩んでいた層の多くが、測定器の当て方や立体的起伏の計測ミスによって生じた過大評価であることが浮き彫りになります。