調査が進むにつれて浮き彫りになった八潮市道路陥没の原因は、道路の直下に数十年にわたり埋設されていたコンクリート製下水道本管の深刻な腐食と劣化でした。下水から発生する硫化水素ガスが空気中の酸素と反応して硫酸へと変化し、管の上部を内側から徐々に溶かす「管内腐食」が進行していたとみられています。
管に亀裂や破損が生じると、下水が外部に漏れ出すと同時に、雨水や地下水とともに周囲の土砂が管内部へと継続的に吸い込まれていきます。その結果、地表のアスファルト層だけが薄氷のように残り、その直下の土砂が完全に失われる下水道管の老朽化と空洞化が静かに進行していきました。
アスファルト舗装は一定の強度を持つため、直下に空洞ができても即座には崩れません。しかし、積載重量のあるトラックが通過した瞬間に耐荷重の限界を超え、一気に陥没を引き起こしたのです。高度経済成長期から半世紀以上が経過し、法定耐用年数である50年を超過した管路が全国的に激増している現実が、今回の惨事を引き金となりました。