倉本聰の現在と不朽の名作群|90代を迎えた巨匠が富良野で遺す言葉

倉本聰の現在と不朽の名作群|90代を迎えた巨匠が富良野で遺す言葉

倉本聰の現在と不朽の名作群|90代を迎えた巨匠が富良野で遺す言葉に関する専門家の意見を詳しく解説いたします。

倉本聰の名を不動のものにした『北の国から』(1981年〜2002年フジテレビ系)。その原点は、1970年代半ばに起きたNHK大河ドラマ『勝海舟』の途中降板劇に端を発します。東京のテレビ業界の理不尽と商業主義に絶望した倉本は、すべてを捨てて単身、北海道・富良野へと移り住みました。

電気も水道もない荒野で、自らの手で家を建て、生活を営む黒板五郎(田中邦衛)と純(吉岡秀隆)、蛍(中嶋朋子)の物語は、倉本自身の北海道でのサバイバル体験と思索が色濃く反映されたものです。便利な都会生活では見落とされがちな「本当の豊かさとは何か」という問いかけは、日本中のお茶の間を揺さぶりました。

さらに1984年には、将来の脚本家や俳優を育成するため「富良野塾」を開設。入塾金や授業料を一切取らない代わりに、塾生たちは自炊農場での過酷な肉体労働を通して「生きるための原点」を叩き込まれました。「身体を動かして汗を流さなければ、真実のセリフは書けない」という信念のもと運営された同塾は、2010年の閉塾までに多くの骨太なクリエイターを輩出しました。

山崎 陸
著者

山崎 陸

最新のテクノロジーと生活デザインの融合をテーマに、国内外の最新トピックを発信しています。