本作のあらすじと結末を語る上で避けて通れないのが、バミューダ海域の海底に聳え立つ鬼岩城の中枢「ポセイドン」の倒し方と、それに伴う水中バギーの壮絶な特攻です。夏休みに太平洋海底キャンプを楽しんでいたのび太一行は、沈没船の金塊を巡る事件を機にムー連邦のエルと遭遇。かつて滅亡した敵国アトランティスの自動軍事システム「ポセイドン」が地震を敵の攻撃と誤認し、全世界を壊滅させる核兵器に相当する大量破壊兵器「鬼角弾」を発射しようとしている危機を知ります。
ドラえもん、のび太、ジャイアン、スネ夫、そしてエルはポセイドンを停止させるためバミューダトライアングルの鬼岩城へ潜入。しかし、鉄騎隊の圧倒的な戦力とポセイドンの強力な電磁バリアの前にひみつ道具を破壊され、全滅寸前の絶望的局面に追い込まれます。
この窮地を救ったのが、安全な場所に残されていたはずの「水中バギー(バギーちゃん)」でした。生前、わがままで口が悪く「ポンコツ」と罵られていたバギーは、唯一自分に優しく接し、洗車をしてくれたしずかに深い愛情を抱いていました。捕らえられたしずかの涙と絶望をモニター越しに感知したバギーは、単身で鬼岩城へ突入。最高速度でポセイドンの体内(巨大コンピュータのメインフレーム)へと激突し、自爆によってポセイドンのメイン回路を物理的に粉砕しました。
爆炎の中から転がり落ちたバギーのメインスクリューをしずかが抱きしめ、号泣する死亡シーンは、児童向けアニメの枠組みを完全に超越した「意志を持った機械の殉教」として描かれています。エルもまた、バギーの自己犠牲と地上人たちの勇気に深く打たれ、固い握手とともに地上と海底の平和を誓い合って物語は幕を閉じます。