愛媛県越智郡上島町に位置する弓削島は、信号機がほとんどなく穏やかな瀬戸内の海と柑橘畑が広がる風光明媚な離島です。その北東部、古くからの町並みが残る上弓削地区の一角にあるのが上弓削の古民家ベーグル店「Kitchen 313 Kamiyuge」です。
都会の喧騒から離れたこの小さな島カフェが、なぜ多くの人を惹きつけるのか。その理由は、単に「美味しいパンが買える」という枠を超えた、圧倒的な体験価値と素材への誠実さにあります。
店舗は、かつて医院や納屋として使われていた歴史ある古民家を丁寧にリノベーションしたもの。白壁と古い梁が調和する中庭付きの空間には、どこか懐かしく穏やかな時間が流れています。店主夫妻が目指したのは、大量生産・大量消費とは対極にある、素材の息吹が感じられる丁寧なものづくりです。
看板商品のキッチン313 Kamiyugeのベーグルは、厳選した国産小麦粉と自家製自然酵母を用い、じっくりと低温長時間発酵させて焼き上げられます。さらに味の決め手となるのは、弓削島の豊かな海水から作られる伝統の「弓削塩(藻塩)」。噛みしめるほどに小麦本来の力強い甘みと塩のまろやかな旨味が口いっぱいに広がり、外側はパリッと香ばしく、内側は驚くほどもっちりとした唯一無二の食感を生み出しています。