スタンドに一歩足を踏み入れれば、そこは音と熱気が渦巻く別世界だ。ブラスバンドの重低音が鼓膜を震わせ、メガホンを叩くリズムがスタンド全体を揺らす。今年から本格導入された熱中症対策の最新散水システムと快適な日よけエリアにより、観客の応援の熱量は例年以上だ。
同時に、スタンドの観客の手元にはスマートフォンやタブレットが握られている。マルチアングルカメラで投球の軌道を確認しながら、目の前のリアルな打球音に酔いしれる。伝統的な泥臭い熱狂と、最先端のデジタル観戦が融合した空間が、ここ甲子園には広がっている。