話題のドラマ『日本一の最低男』とは一体なぜここまで注目されているのか。この問いに対する明確な答えは、本作が提示した「極限の利己主義と、現代人が心の底で渇望するセーフティネットの摩擦」にあります。報道各社による制作発表記者会見の記録によると、主演の香取慎吾はドラマのオファーを受けた際、「観客が本気で主人公に嫌悪感を抱くレベルの利己的な造形」にあえて踏み込む覚悟を口にしていました。
従来のテレビドラマであれば、序盤から「実は心優しい一面」を分かりやすく提示し、視聴者の共感を担保するのが定石です。しかし本作はその予定調和を徹底して排しました。不祥事によって古巣のテレビ局を追われ、自称ジャーナリストとして逼塞する大森一平(香取慎吾)が抱く野心は極めて卑近です。それは、世論受けの良い「子育て世帯の献身的な伯父」という架空のキャラクターを演出し、区議会議員選挙で当選を果たすことでした。
SNSやネット掲示板では第1話の放送直後から激しい賛否両論が巻き起こりました。「主人公の言動が身勝手すぎて観ていられない」「あまりに生々しい政治利用」という嫌悪の声が噴出する一方で、「子育ての過酷さや生活苦をこれほど飾らずに描いた地上波作品は稀有だ」という切実な共感が急速に拡散。日本一の最低男 ネットの反応は、回を追うごとに単なるドラマ評を超え、自治体の福祉施策やシングルの困窮を語り合う言論空間へと変貌していきました。