大阪桐蔭が勝ち続けられる最大の要因は、突出した個の才能を組織力へと昇華させる「指導方針」にあります。西谷監督の指導は、昭和型のスパルタ指導とは一線を画し、徹底した「対話」と「自立の促進」を根幹に据えています。
全寮制の生活環境の中で、監督自らが選手と同じ目線で寝食を共にし、交換ノートや個別面談を通じて各選手のメンタル状態や課題を把握しています。選手に対して「なぜそのプレーを選択したのか」を論理的に言語化させ、グラウンド上での自己決定力を養うアプローチは、近年のスポーツ心理学の観点からも極めて合理的な育成モデルと評価されています。
また、全国の中学生球児に直接足を運ぶ「スカウト方法」も有名です。西谷監督は多忙なスケジュールの合間を縫い、全国各地のシニアやボーイズの試合へ自ら車を走らせます。単に足が速い、球が速いといった表面的な能力だけでなく、「道具の扱い方」「ベンチでの振る舞い」「保護者への接し方」など、グラウンド外での人間性を極めて厳格に見極める点が特徴です。
さらに、有友茂史部長をはじめとする強力なコーチ陣との強固な分業体制が整っており、技術指導、メンタルケア、フィジカルトレーニング、学業管理に至るまで組織的にバックアップする体制が構築されています。