彼女の名を世界に知らしめた金字塔といえば、『全裸監督』と『今際の国のアリス』の存在を外すことはできない。前者が昭和という時代の狂気と熱量を破天荒なリアリティで切り取ったのに対し、後者は極限状態における人間の心理戦を圧倒的な映像美で描き出した。
一見すると対極に位置する2作品だが、その底流には共通する鋭いまなざしが存在する。過激な描写や派手なアクションの裏側に、常に「人間の業」を鋭く凝視するドラマを配置する技法だ。視覚的なインパクトで引き込み、感情の深層で観客を囚える。この絶妙なバランス感覚こそが、世界各国の視聴者の心を掴んで離さない最大の要因だ。