行政の動きも迅速かつ厳格だ。かつて原因不明の刺身食中毒とされていたこの症状に対し、厚生労働省は法的な位置づけを明確化し、食品衛生法に基づく届出対象の食中毒原因物質として指定を行った。これにより、医師がクドアによる食中毒と診断した場合には、速やかに保健所へ届出を行う義務が生じる。
感染症や食中毒データの統合的解析を担う国立感染症研究所は、全国から報告される症例データを収集・分析し、発生時期や地域的偏在、原因となったヒラメの流通経路に関する最新調査を続けている。こうした疫学調査の成果は現場にフィードバックされ、防止策のアップデートに活用されている。
さらに、一般消費者や事業者に向けた啓発の拠点として厚生労働省食中毒予防情報プラットフォームが運用されており、最新の対応ガイドラインや予防手順が詳細に公開されている。事業者に対する出荷前検査の徹底要請や、発症防止のための温度基準の周知など、行政と現場が連携した安全網の構築が推進されている。