55年間という驚異的な歳月を大喜利メンバーとして駆け抜けた林家木久扇。カメラが回っていない舞台裏では、共演者やスタッフに対する細やかな気配りと、笑いに対するあくなき情熱が渦巻いていた。長年の放送中、体調が万全ではない時期であっても客席の期待を決して裏切らず、高座に上がり続けた姿は今も語り草となっている。
楽屋では後輩たちに助言を与える良き大先輩でありながら、ひとたびステージに立てば「与太郎」のキャラクターに徹するプロ意識の塊だった。関係者が明かす秘話によれば、彼の突拍子もない解答の数々は、客席の空気や番組のテンポを緻密に計算し尽くした上での高等技術だったという。