神奈川県下には数多くの農産物直売所が存在しますが、平塚あさつゆ広場が群を抜いて高いリピート率を記録している背景には、JA湘南の流通システムと平塚という土地が持つ農業ポテンシャルの高さがあります。平塚市は神奈川県内でも有数の農業生産高を誇り、きゅうり、トマト、コマツナなどの施設園芸から、キャベツ、大根、玉ねぎといった露地野菜まで、多種多様な農産物が年間を通じて栽培されています。
売り場に足を踏み入れると、まず圧倒されるのが陳列棚の熱気です。棚ごとに生産者の氏名や顔写真、栽培のこだわりが掲示され、「誰が、どのように育てたか」が一目で判別できます。スーパーの野菜売り場とは異なり、数時間前まで畑の土の中にあった野菜が、みずみずしい葉先やハリのある果皮のまま並んでいます。利用者の購買行動を観察すると、お気に入りの生産者名を指名買いするベテラン客の姿が随所に見受けられ、単なる安売り店ではない、生産者と生活者の強い信頼関係が構築されている現場の熱量が伝わってきます。
さらに野菜だけでなく、神奈川県指定銘柄「やまゆりポーク」の精肉コーナーや、相模湾の釜揚げしらす、平塚産米「はるみ」など、地域の食材がワンストップで手に入る点も主婦層や料理愛好家を引きつける決定打となっています。