ネット掲示板や知恵袋、SNS上では「目薬をこまめに差しているのにドライアイが一向に治らない」「むしろ目がゴロゴロするようになった」といった書き込みが頻発しています。この現象について、臨床現場の眼科専門医や薬剤師へのヒアリング調査、および長期点眼ユーザーの手記を突き合わせると、見落とされがちな「点眼過剰の罠」が浮かび上がってきます。
都内のIT企業に勤務する30代エンジニアのAさんは、手記の中で次のように実体験を述べています。
「モニターを見つめる時間が1日12時間を超え、目が針で刺されるように痛むため、15分から30分おきに1日20回以上市販のクール系目薬を点眼していました。差した瞬間だけは痛みが引くのですが、半年経つと目を開けていられないほどの重傷になり、駆け込んだ眼科で『角膜が点眼薬の防腐剤と洗い流しすぎで傷だらけになっている』と宣告されました」
健康な涙には、細菌の侵入を防ぐリゾチームやラクトフェリン、上皮細胞の再生を促すEGF(上皮成長因子)など、人工的には再現できない微量生体成分が豊富に含まれています。点眼回数が1日に5〜6回を大幅に超えると、これらの自前バリア成分が希釈されて失われ、目の表面は無防備な乾燥状態へと晒されます。ネット上で囁かれる「目薬の逆効果説」はデマではなく、不適切な成分選択と過剰点眼が引き起こす医原性の角膜障害が実態であることを認識しなければなりません。