萩の観光スタイルも大きな転換期を迎えている。かつてのような大型バスで名所を巡る駆け足のツアーから、城下町全体をひとつの大きなホテルと見立てる「分散型ホテル」での長滞在へとシフトした。来訪者は歴史ある民家に泊まり、地元の居酒屋で夕食を楽しみ、朝は地元のパン屋で買い物を楽しむ。
この取り組みは、空き家問題を解消するだけでなく、観光客の消費が直接地域コミュニティに還元される仕組みを作り出した。路地を散策するツーリストと、日常を過ごす地元住民が自然に言葉を交わす景色。それこそが、人工的に作られたテーマパークには絶対に真似できない、本物の文化体験となっている。