いくら電動化とリモコン操作で安全性が向上したとはいえ、相手は数十トンの質量を持つ重量物です。正しいチルローラーの使い方と安全対策を怠れば、重大な人身事故につながりかねません。現場で徹底すべき基本事項は以下の通りです。
第一に、走行路面の平坦性と耐荷重強度の確認です。路面にわずか数ミリの段差やゴミ、窪みがあるだけで、ローラーに局所的な偏荷重がかかり、スタックや荷崩れの原因になります。必要に応じて敷鉄板を敷設し、路面養生を完璧に行うことが鉄則です。第二に、勾配・傾斜地での単独走行の厳禁です。下り勾配では自走モーターのブレーキ能力を超える慣性が働く恐れがあるため、必ずチルホールやウインチでバックアップの保持ワイヤーを併用しなければなりません。第三に、ジャッキアップ・ダウン時における指や足の挟まれ防止措置の徹底です。遠隔操作中であっても死角に人が立ち入らないよう、カラーコーンによる作業区画の設定と声掛け確認が欠かせません。