富田望生の演技力とその覚悟が初めて日本映画界に鮮烈な衝撃を与えたのは、映画『ソロモンの偽証』だった。オーディションを経て役を射止めた当時、10代前半だった彼女は役のために15キロ以上の増量を打診され、それを見事にやり遂げた。多感な時期に体重を増やすという決断は、並大抵の覚悟でできることではない。
スクリーンで圧倒的なリアリティを放ったその演技は、瞬く間に映画関係者の目を惹きつけた。この作品での体験こそが、彼女にとって「役柄のために肉体を自在に変化させる」という役作りの原点となったのである。太ることも痩せることも、表現の一部として捉える彼女のプロ意識は、このデビュー期にすでに完成していたと言える。