全国和菓子協会をはじめとする業界団体は、和菓子の伝統技術の継承と、現代のライフスタイルに合わせた普及活動に力を注いでいる。優秀和菓子職の認定制度などを通じ、次世代の技術向上を図る動きも活発だ。その根底にあるのは、安価な代替原料や人工香料に頼らない「本物の味」を守り抜くという強い意志である。
小豆の風味を損なわずにアクだけを除く絶妙な火加減や、天候や湿度によって砂糖の配合を微調整する勘所。それはデータだけでは再現できない、長年の修練と身体感覚の賜物だ。職人たちが寡黙に磨き上げてきた技があるからこそ、私たちは皿の上で揺れる一切れのわらび餅や葛切りに、本物の贅沢を感じ取ることができる。