渋谷のカフェ文化を語る上で外せないのが、宇田川カフェをはじめ数々の伝説的空間を生み出してきた株式会社LD&Kと、その代表である大谷秀政氏の存在だ。「夜カフェ」というライフスタイルを日本に定着させたパイオニアの息吹は、現在の桜丘にも色濃く受け継がれている。
雑多な音楽カルチャーと無国籍なインテリアが同居する独特の空間づくりは、均質化していく再開発の街並みに対する強烈なアンチテーゼでもある。終電を逃した若者や、深夜のブレインストーミングに励む起業家たちが肩を並べてグラスを傾ける。そんな「夜の止まり木」が路地裏にしっかりと根を張っている。