犬が前足を前方に伸ばして上半身を床に低く沈め、お尻だけを高く突き上げる姿勢は、犬の祈りのポーズ(Prayer position)と呼ばれます。一見すると遊びに誘う「プレイバウ」に似ていますが、その意味合いは正反対です。
プレイバウであれば尻尾をリズミカルに振り、瞳を輝かせて飼い主の反応を伺いますが、病気による祈りのポーズでは尻尾が下がり、目は虚ろで表情が険しく強張っています。名前を呼んでも反応が鈍く、その姿勢のまま数分間フリーズするようにじっと痛みに耐え続けるのが特徴です。
この姿勢が見られた際に最も警戒すべき疾患が「急性膵炎」です。消化酵素が自分自身の膵臓や周囲の臓器を溶かしてしまうため、人間でも失神するほどの激痛が走ります。膵炎は発症から数時間で病態が急激に悪化し、多臓器不全からショック死に至るケースも珍しくありません。祈りのポーズを確認したら、食事や水を一切与えず、即座に動物病院へ搬送する必要があります。